サミンの民
19世紀末から20世紀初め、ジャワ島の農民に広がった宗教的な民族運動。サミン運動ともいう。
インドネシアの民族運動の初期にジャワ島に現れた、一種の宗教運動。サミンとはその教祖で、その教えを信奉する人々を「サミンの民」といった。その教えは「神はわが内にあり」と説いて自給自足の農民社会を建設し、植民地官僚の権威を認めず、納税を拒否した。運動は非暴力的なものであったが当局は共産主義との近親性を怪しんで指導者を逮捕流刑とした。現在も運動は消滅せず、ジャワの山村には外部との接触を避ける「サミンの民」がいるという。<『インドネシアの事典』同朋舎 p.188>