第2章1節・インドの古典文明
★ インドの古代文明
2011 関西学院大学(経他)
【問】次の文中の( )に最も適当な語を語群から選び、また下線部に関する問いに答え、最も適当な記号1つをマークしなさい。
インド亜大陸の各地には旧石器文化、新石器文化の遺跡が残されている。最も早くこの地に住みついたのは、中部・東部の丘陵地帯に分布するオーストロアジア語系の諸民族とされる。その後西方から①ドラヴイダ系の民族が到来し、居住域を広げていき、紀元前2300年頃、ハラッパーなどの遺跡で知られる青銅器時代の②都市文明が興った。インド=ヨーロッパ語系の言語を話す③アーリヤ人の一分派は、この文明が衰退した後の前1500年頃から、徐々にパンジャーブ地方に移住した。その後、前6~前5世紀にはヒンドゥーの古代国家が( イ )中流域で形成された。そのなかで④マガダ国が最も有力で、その国家体制を完成させたのが⑤マウリヤ朝の統一国家である。それ以後は⑥グプタ朝など強大な王国が時にインドの一部を支配したが、分裂の時代が長く続いた。また13世紀初頭には( ロ )の成立によってイスラームの進出が本格化した。
スリランカに( ハ )が建てられたのは前5世紀頃とされている。前3世紀に仏教が伝えられ、王をはじめ有力者が帰依した。現在も東南アジアなどで盛んな( ニ )の源流である。
スリランカに( ハ )が建てられたのは前5世紀頃とされている。前3世紀に仏教が伝えられ、王をはじめ有力者が帰依した。現在も東南アジアなどで盛んな( ニ )の源流である。
〔語群〕
〔設問〕
- イ.
- a.ガンジス川 b.チャオプラヤ川 c.メコン川 d.ティグリス川
- ロ.
- a.ロデイー朝 b.サイイド朝 c.奴隷王朝 d.サーマーン朝
- ハ.
- a.ヴァルダナ朝 b.チョーラ朝 c.チャンデーラ王国 d.シンハラ王国
- ニ.
- a.バラモン教 b.上座部仏教 c.シク教 d.大乗仏教
〔設問〕
- ①
- ドラヴイダ系の民族に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
- a.
- タミル語は、ドラヴイダ系の言語である。
- b.
- ドラヴイダ系のサータヴァーハナ朝は、ローマ世界との交易で栄えた。
- c.
- ドラヴイダ系の人々の間で、仏教に帰依するバクティーティ運動が広がった。
- d.
- 現在は主にインド南部に居住している。
- ②
- この都市文明に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
- a.
- メソポタミア文明との交流があったとされている。
- b.
- 都市の内外には巨大な宮殿や王墓がつくられた。
- c.
- ろくろでつくられた彩文土器が使用された。
- d.
- 象形文字の刻まれた印章を用いた。
- ③
- アーリヤ人に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
- a.
- 馬と戦車を使用していた。
- b.
- シヴァ神を唯一神として信仰していた。
- c.
- アーリヤとは「高貴な」という意味である。
- d.
- 『リグ=ヴェーダ』は神への賛歌集である。
- ④
- マガダ国に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
- a.
- 『ラーマーヤナ』はマガダ国の王子を主人公とする叙事詩である。
- b.
- ガウタマ=シッダールタはマガダ国で悟りを得た。
- c.
- マガダ国でジャイナ教が生まれた。
- d.
- 前5世紀にコーサラ国を併合した。
- ⑤
- マウリヤ朝に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
- a.
- 創始者はチャンドラグプタである。
- b.
- アレクサンドロス大王が西北インドに侵入した後に建てられた。
- c.
- アショーカ王の時代に仏典結集が行われた。
- d.
- プルシャプラ(ベシャーワル)を都とした。
- ⑥
- グプタ朝に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
- a.
- チャンドラグプタ1世の時代に最盛期を迎えた。
- b.
- 宮廷詩人のカーリダーサが活躍した。
- c.
- アジャンタ一石窟寺院の壁画は、グプタ美術の代表とされる。
- d.
- 中央アジアの遊牧民エフタルに攻撃されて衰退した。
解 答
イ | ロ | ハ | ニ |
a | c | d | b |
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ |
c | b | b | a | d | a |
解 説: