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詳説世界史 準拠ノート(最新版)

第10章 近代ヨーロッパ・アメリカ世界の成立

2節 アメリカ独立革命

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Text p.245

ア.北アメリカ植民地の形成

■ポイント どのような過程でアメリカ植民地に独立の気運が生まれたかを理解する。

メイフラワー号

 メイフラワー号  

 13植民地   の建設。
  • 1607年 a ヴァージニア  植民地の建設。タバコ栽培で発展。
     → 1619年 b ヴァージニア議会  を開設、植民地の自治始まる。
  • 1620年 信仰の自由を求めたc ピューリタン  の新大陸移住始まる。
     d ピルグリム・ファーザーズ  、e メイフラワー号  
      大西洋を渡り、プリマスに上陸。
     → ▲「メイフラワー契約」に基づきタウン制度という自治を開始した。
B 北部・南部の地域差と自治の拡大
  • 1630年 a マサチューセッツ  植民地建設 その中心がボストン。
     → プリマスを合わせてb ニューイングランド  地方といわれる。
  •  北部  = 自営農民による農業と商工業が発達。→ 本国に対する批判意識が強まる。
  •  南部  =e 黒人奴隷  を使用するf タバコ・米などのプランテーション  が発達。
  • 北部、南部とも先住民g インディアン  の土地を奪いながら入植。 → フランスも北米に進出。
  • 植民地の自治:国王の特許状により土地所有権・自治権・イギリス臣民としての諸権利が認められ、
     h 植民地議会  が開設された。 → 植民地人の自主独立の意識、強まる。

解説

北米大陸に築かれたイギリスの植民地には、次の三つの形態があった。
  • 王領植民地:国王が総督・植民地議会議員を直接任命する。総督は課税、管理の任免、土地の下付などの権限を持つ。=ヴァージニア・ ニューヨーク ・ ジョージア・マサチューセッツ
  • 領主植民地: 国王から特許状を与えられた貴族が植民地を開拓し、現地の総督と植民地議会議会の議員を任命する。= ペンシルヴェニア ・デラウェア・メリーランド
  • 自治植民地:入植者が総督と植民地議会議員を選出する権利を持つ。=ロードアイランド・コネティカット。マサチューセッツは王領植民地で会ったが1774年に総督と議員の現地での選出が認められた。
 七年戦争   1756~63年 北米大陸ではa フレンチ・インディアン戦争  が併発。
  • 1763年 b パリ条約   イギリスがカナダ、ミシシッピ等のルイジアナ、フロリダを獲得。
     → 同時に戦費が財政を圧迫。 → 財政赤字の増大。
  • 同年 イギリスのc ジョージ3世  、「 国王の宣言 」で植民地人の居住をアパラチア以東に限定。

    解説

    「国王の宣言」とは1763年、ジョージ3世の名で出されたイギリスの北米植民地に対する規制法。フレンチ=インディアン戦争の際にインディアンがフランスに協力したため、戦後その反乱を恐れ、懐柔する必要があった。そこでイギリスが獲得したミシシッピ川以東のルイジアナ(厳密には東はアレガニー山脈、西はミシシッピ川、北は五大湖、南はフロリダの北端に挟まれた地域)を国王直轄地として植民地人の移住を禁止しインディアンの保護するとした。しかしそれは口実で、植民地人の経済活動を抑制しようとしたものであったので、植民地側は強く反発した。
     = インディアン保護を口実に、植民地人の活動を制限。
D イギリスの 重商主義政策  
  • イギリスが本国の商工業を保護するため、植民地の自由な貿易、工業の発展を抑えようとする。さらに、
     植民地戦争による財政赤字を補填するため、植民地に対する課税を強化    
  • Text p.246

  • 1764年 ▲b 砂糖法(条令) :ラム酒の原料である糖蜜への課税。
  • 1765年 c 印紙法(条令) :証書、証券類、パンフレット、新聞等に課税。
     → アメリカ植民地側はd 「代表なくして課税なし」  (パトリック=ヘンリの提案)と決議。
  • 1767年 ▲タウンゼント諸法制定 → 植民地のガラス・鉛・ペンキ・紙・茶の輸入への課税など。
 ボストン茶会事件
ボストン茶会事件

 ボストン茶会事件  

  • 1773年  イギリス政府、a 茶法(条令) を制定。
     = 植民地へのb 茶  の販売権をc 東インド会社  に独占させる。
     → 植民地側商人の反発が強まる。
  • 同年 E ボストン茶会事件  起きる。(右図)
     = インディアンに変装した現地人がc 東インド会社  の船の積み荷の
     b 茶  を投棄する。
  • イギリスが報復としてd ボストン港封鎖  
     マサチューセッツ植民地の自治権を剥奪。
     → 植民地全域にイギリス製品不買運動広がる。
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用語リストへ イ.アメリカ合衆国の独立

■ポイント アメリカ合衆国の独立が「独立革命」といわれる意味を考え、その意義を理解する。

 独立戦争   の開始。
  • 1774年 植民地代表らフィラデルフィアでa 第1回大陸会議  開催。自治の尊重を要求。
     ▲ パトリック=ヘンリ の「自由か死か」演説。
     → イギリス国王b ジョージ3世  に対する忠誠を拒否。
  • 1775年 c レキシントンの戦い  ・コンコードで衝突し、独立戦争始まる。
    独立宣言への署名

    B 独立宣言  への署名

     →  第2回大陸会議  総司令官にd ワシントン  任命。
 独立宣言    ・a 1776  年7月4日
  •  フィラデルフィア  で13植民地代表が署名。
     イギリスのc ロック  の圧政への抵抗権の主張をもとに、
     トマス=ジェファーソン  らが起草。
  • 内容:e 平等、自由、幸福の追求と圧政に対する革命権      
    を認める 
  • 意義:f フランス人権宣言  と共に、近代民主政治の基本原理
    とされる。
 独立戦争   の展開。
  • 植民地内部でも独立支持派= 愛国派(パトリオット)と独立反対派= 国王派が対立。中立派も存在した。
  •  トマス=ペイン  のb 『コモン-センス』  (1776発表)が独立の必要を訴える。
     = イギリスへの服従を拒否、独立によってのみ自由を獲得できると説く。
  • 1777年  ▲アメリカ連合規約 制定、国号をc 「アメリカ合衆国」 とする。
  • 解説

    最初の星条旗 アメリカ合衆国 United States of America は、13の州 state の連合体であるのでアメリカ合衆国とするのが正しいが、日本では明治以来、合衆国の表記が定着した。アメリカ連合規約は81年に施行され合衆国が正式に発足し、大陸会議も連合会議と改められて中央政府の役割を果たした。大統領と連邦政府が発足するのは1789年(この時首都はニューヨークとされた)。国旗は1777年6月14日に制定された「星条旗 Stars and Stripes 」(左)。星は加盟州、紅白のストライプは独立時の13州 Original States を著す。加盟州は順次増え、現在は51州。
  • 同年 国旗(星条旗)を制定。
  • 1778年 d フランス ・スペイン  、独立軍を支援。駐仏大使e フランクリン  の働きかけ。
  • 1780年 ロシアのエカチェリーナ2世の提唱により、f 武装中立同盟  結成。
     → フランスのg ラ=ファイエット  、ポーランドのh コシューシコ  ら義勇兵が参加。
  • 1781年 i ヨークタウンの戦い  = 独立軍の勝利。
     同  年 連合規約が発効。大陸会議を▲j 連合会議  に改め、中央政府とする。

Text p.247

 パリ条約   の締結。
  • 1783年 イギリスがアメリカ合衆国(13州)の独立を認める。
     a ミシシッピ以東のルイジアナ  もアメリカ領となる。
     他に西インド諸島の一部とセネガルをフランスに割譲。フロリダとミノルカ島をスペインに割譲。
・「b イギリス第一帝国  」の崩壊。
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用語リストへ ウ.合衆国憲法の制定

■ポイント 合衆国憲法の内容と意義を理解し、連邦派と反連邦派のそれぞれの主張を知る。

 独立戦争   の開始。
  • 13州の緩い連合体として独立を達成したが、中央政府としての連合会議は弱体だった。
     → 元兵士や農民の反乱が起きる。 統一の強化が課題となる。
  • 1787年 フィラデルフィアでa 憲法制定会議  開催。議長ワシントン。
  • 連邦政府のあり方をめぐり対立が明確になる。
  •  連邦派(フェデラリスト)  :中央政府としての連邦政府の必要と憲法の制定を主張。
  •  反連邦派(アンチ=フェデラリスト)  :州の独立維持を主張し、連邦政府を不必要と主張。
     → 両派の妥協が成立。翌年、9州の批准によってd アメリカ合衆国憲法  が発効。
 アメリカ合衆国憲法  
  • 憲法のしくみ
  • ┌a 人民主権   共和政の民主主義を土台とする国家。

    ├b 連邦主義   各州の自治権を認めながら、中央政府の権限を強化。

    │          ┌ 行政=d 大統領  (任期4年 間接選挙 議会から独立。)
    │          │
    │          │             ┌ 上院:各州2名の代表。条約の批准権などを持つ。
    │          │             │
    └c 三権分立    ┼ 立法=e 連邦議会   ┤
               │             │
               │             └ 下院:議員は人口比例による国民の直接選挙。
               │
               └ 司法=f 最高裁判所  (違憲立法審査権を持つ)
     
  • 憲法のその他の特色
    •  州権の制限  :条約・同盟の締結、貨幣鋳造、軍備などはできない。
    •  政治と宗教の分離   
    •  軍隊に対する文民統制   
    •  人民の権利を保護する条項   
  • 意義:k 世界最初の近代的成文憲法であり、憲法に基づく民主的な共和政国家を初めて成立させた   
 大統領制 の発足
  • 1789年 a ワシントン  初代大統領に当選。連邦政府発足。この年、b フランス革命  勃発。
     → アメリカ合衆国は中立政策を採る = アメリカの外交政策のc 孤立主義  の源流となる。(後出)
  • 1797年 3期目、出馬せず退任。以後、F=ローズヴェルトまでの先例となる。
 連邦派、反連邦派の対立  
  •  連邦派(フェデラリスト)  :財務長官b ハミルトン  ら。商工業者の支持。
     = c 連邦政府の権限を強め、統一国家のもとでの商工業の発展をめざす    
  •  反連邦派(アンチ=フェデラリスト)  :国務長官e ジェファーソン  ら。中小自営農民が支持。
     = f 集の独立性を保ち、連合政府の権限をできるだけ制限することを目指す  

    解説

    代大統領ワシントンのもとで財務長官となったハミルトンは連邦派、国務長官(外務大臣)となったジェファソンは反連邦派であったので、政府内部で対立した。特にハミルトンが進めた国立銀行設立案にジェファソンは強く反対した。中立の大統領ワシントンがうまくバランスをとったので分裂は回避されたが、その後も両派の対立は続いた。第2代大統領アダムスも連邦派であったが、1800年の選挙で反連邦派のジェファソン政権が誕生した。
     → 後にアメリカの政党のもとになる。

Text p.248

E 大国への道
  • 1800年 首都a ワシントン特別区  を建設し移転。
  • 社会改革進む:土地相続制の改革、信仰の自由、アパラチア山脈以西への移住の解禁など。
     → 開拓農民=自由農民層の増加 = b アメリカン=デモクラシー  の基盤となる。
     → 合衆国市民の西部移住の増加 → 先住民c インディアン  との戦争の激化。
・まとめ
★a アメリカ独立革命  の意味:
  •  近代世界で初めての近代的共和国として独立し、ブルジョアジーが権力を握り市民的自由を実現した  
     = 典型的なc 市民(ブルジョワ)革命  として、次のd フランス革命  に大きな影響を与えた。
  • 残された問題点:
     e 黒人奴隷と先住民インディアンの権利は無視され、抑圧はその後も続いた   
★アメリカ独立革命の国際関係
  • アメリカ独立戦争はa フランスなどの支援、ロシアなどの中立  という有利な外的条件のもとで勝利し、
     b イギリス第一帝国  の世界支配を崩壊させた。
  • アメリカ合衆国はアメリカ大陸最初の独立国家であり、c ラテンアメリカ諸国  の独立の契機となった。
  •  大西洋革命  と捉える見方
     e アメリカ独立革命 → フランス革命 → ラテンアメリカの独立という変革の連鎖反応が起こった  
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