第2章 アジア・アメリカの古代文明
◀ 第4節 南北アメリカ文明 ▶
「見だしリスト」クリックで各見出しにジャンプ。
「解説」をクリックすると解説ページにジャンプ。
「解説」をクリックすると解説ページにジャンプ。
ア.アメリカ先住民
★解説(ア)
- アジア大陸とアメリカ大陸の間のベーリング海峡が地続きだった約3万年前に
a モンゴロイド 系の人々が北アメリカ大陸に入り、約1万年前には南アメリカ大陸南端に達した。 - 15世紀末にヨーロッパ人が渡来。先住民をb インディオ (南米)、c インディアン (北米)と呼ぶ。
はじめてアメリカに到達したコロンブスがこの地をインドの一部と誤解したため。
■ポイント コロンブス以前の南北アメリカ大陸に高度な文明が存在したことを理解する。
A 北アメリカ 現在のアメリカ合衆国・カナダ。
- 先住民(かつてはc インディアン と言われたが、現在ではネイティヴ=アメリカンというのが一般的)が部族社会を形成し、狩猟・採集を中心とした文化が続いた。
- 前1000年頃からd トウモロコシ 栽培なども始まる。
- ▲一部では定住して農耕文明に達していた。例 プエブロ文化 コロラド州のメサ=ベルデ遺跡など。
- 15世紀末以降、スペイン人、イギリス人などヨーロッパ系入植者によって破壊された。
- メキシコ高原~中央アメリカのe メソアメリカ文明 と南アメリカ大陸のf アンデス文明 が形成される。
- 紀元前2000年頃からd トウモロコシ などを栽培する農耕文化が発展する。
→ ユーラシア大陸の文明とは交流がなく、独自の農耕文明と都市文明を成立させた。 - アメリカ大陸の文明の共通性
- 高度な石造技術、建築技術を持っていた。
- 金銀の製造技術は高度だった。しかし、鉄器は知られていななかった。
- 牛や馬、車輪は知られていなかった。
- アメリカ大陸原産の作物:
d トウモロコシ ・g サツマイモ ・h ジャガイモ ・i トマト など。
→ 大航海時代にヨーロッパに伝えられ、さらに世界各地に広がる。
◎アメリカ大陸の古代文明
- 古代文明
- A アステカ文明
- B マヤ文明
- C インカ文明
- 主な遺跡
- 1 テオティワカン
- 2 テノチティトラン
- 3 チチェン=イッツァ
- 4 チャンチャン
- 5 チャビン
- 6 マチュ=ピチュ
- 7 クスコ
- 8 ナスカ
- 9 ポトシ銀山
イ.マヤ・アステカ文明とインカ帝国
★解説(イ)
■ポイント 前ページの地図で文明圏の位置を確認し、それぞれの文明の特徴を知る。
(1)メソアメリカ文明
・メキシコ湾岸のメソアメリカ文明
A オルメカ文明
・中央アメリカ・メキシコ高原のメソアメリカ文明
A テオティワカン文明
・メキシコ湾岸のメソアメリカ文明
A オルメカ文明
- 紀元前1200年頃までにメキシコ湾岸に成立。
- 石造の大神殿、巨大人面彫刻などをもつ都市文明。
- → 周辺の諸文明(マヤとティオティワカン)に影響を与える。
▼
B マヤ文明- 前1000年頃~16世紀 4~9世紀に全盛期
- 中央アメリカのユカタン半島を中心に、都市国家を形成。
- ピラミッドを建築(チチェン=イツァ)
- 20進法を用い、天体観測を行って精密な暦法(マヤ暦)を発達させた。
- a マヤ文字 (絵文字)の使用。
▼
10世紀 メキシコ高原から進出したトルテカ人に押され衰退。・中央アメリカ・メキシコ高原のメソアメリカ文明
A テオティワカン文明
- 前1世紀 メキシコ中央高原。「神々の場所」の意味。
巨大な石造神殿、a 太陽のピラミッド など。 - 4~7世紀が最盛期で人口約20万を有した。
▼
B ▲トルテカ文明- 6世紀頃からメキシコ高原に成立。
→ 10世紀頃からユカタン半島に進出。 - 12世紀頃 メキシコ北部からのチチメカ人の南下始まる。
▼
C アステカ文明- 14世紀にチチメカ人の中の一派が有力となり、a アステカ王国 が成立する。
- 都b テノチティトラン を建設(現在のメキシコシティ)。テスココ湖の湖上に築かれた。
- 神権政治を行い大ピラミッド型の神殿、絵文字、彩文土器などの文明を築いた。
→ 15世紀まで栄えた。
▼
16世紀 スペイン人の侵入。1521年 コルテスに征服され滅亡する。(後出)
(2)アンデス文明
A チャビン文化
A チャビン文化
- 前1000年頃、ペルー北部に成立。石造建築の神殿、土器、金属器の使用。
- その後、アンデス地域にアンデス文明と総称されるいくつかの都市文明が成立。
▼
B ▲紀元前後から15世紀までのアンデス世界- 海岸部には1~8世紀にモチカ文化(土器が特色)、ナスカ文化(織物と地上絵で有名)が栄える。
- 中央アンデスでは、8世紀にティアワナコ・ワリ文化の都市文明が広がる。
- 11世紀には海岸部にチムー帝国(中心地がチャンチャン)が繁栄、金属工芸が発達した。
▼
C インカ文明
- 15世紀後半 アンデス高原一帯にケチュア族が興る。
- a インカ帝国 の形成。都クスコ。
国王は「太陽の化身」とされ、神権政治を行う。 - 現在のコロンビア、エクアドルからペルー、チリにかけて支配。
人口600~800万。 - 駅伝制の整備された道路網の建設。
- アンデスの高地に都市b マチュピチュ を建設。
- 文明の特徴:
巨大な石造建築、潅漑農業技術を持つ。
金、銀、青銅器の金属工芸が発達。
c キープ による記録(右図)。太陽崇拝など。 - ▲1530年ごろ、王位継承争いから分裂。
c キープ
▼
16世紀 スペイン人の侵入。1533年、ピサロによって征服され、滅亡する。
まとめ:
d 牛・馬・羊・鉄器・車輪・火薬などを知らなかったが、トウモロコシ、ジャガイモなどアメリカ原産の作物は大航海時代にヨーロッパにもたらされ、重要な農作物となった。