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トゥグリル=ベク

セルジューク朝の初代スルタン。1055年、バグダードに入り、ブワイフ朝を倒し、アッバース朝カリフからスルタンの称号を与えられた。

 セルジューク朝の初代スルタン。在位1038~63年。ベク(またはベイ)というのは、集団の長や支配者を意味するトルコ語で、トゥグリル=ベクは「鷹の君主」の意味となる。中央アジアのニーシャプールから、1055年にバグダードに入城し、ブワイフ朝を倒した。ブワイフ朝と同様、アッバース朝カリフの宗教的権威はそのままにして象徴としての地位を与え、みずからはカリフからイスラーム法の執行権を与えられて、スルタンと称した。また、ブワイフ朝のイクター制を引き継ぎ、その征服地で旧支配者層にイクターを授与した。

Episode 1054年の超新星の大爆発

 トゥグリル=ベクがバグダードに入る前の年、つまり1054年に、年代記によれば、突然空にまばゆい光があらわれ、1ヶ月も続いたという。肉眼でも長さが5メートル、幅が50センチほどにみえたという。この現象は天文学では有名な牡牛座の中のでは恒星が超新星となった大爆発だった。その名残が現在見ることのできるカニ星雲である。これは日本では藤原定家の『明月記』にでてくる。<『都市の文明イスラーム』新書イスラームの世界史1 講談社現代新書 清水宏祐 p.132>
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第5章2節 ア.東方イスラーム世界
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佐藤次高・清水宏祐『都市の文明イスラーム』新書イスラームの世界史1 講談社現代新書