印刷 | 通常画面に戻る |

カーリミー商人

カイロを拠点としてインド洋で活動したイスラーム商人。

11~13世紀にエジプトのカイロを拠点に、紅海からインド洋にかけての貿易を行っていたイスラーム教徒の商人。アッバース朝が衰退し、エジプトにファーティマ朝・アイユーブ朝・マムルーク朝が勃興するに伴い、政治・商業・文化の中心地は、バグダードからカイロに移った。ムスリム商人の交易ルートもペルシア湾からティグリス川を利用してバクダードを経由するペルシア湾ルートから、インド洋からアラビア半島南端のアデンを経由して紅海を通り、さらにナイル川を利用してカイロに出、アレクサンドリアを経由して地中海ルートに出る紅海ルートが重要になった。特にアイユーブ朝マムルーク朝の保護を受けて、このルートで活躍したムスリム商人をカーリミー商人という。このころエジプトではサトウキビの栽培が広がり、砂糖の生産が増加し、カーリミー商人の扱う輸出品とされた。

カーリミーの語源

 カーリミーの語源は不明であるが、最近では貿易品の琥珀(カーリム)に由来すると言う説が有力である。彼らは一種の商人組合を結成し、ダウ船を所有し、都市に商館を置いて東西貿易に活躍した。

カーリミー商人の扱う商品

 東方から香辛料・絹織物・陶磁器などをもたらし、エジプトの砂糖・小麦・亜麻織物などと交換した。彼らのもたらす香辛料はヴェネツィア、ジェノヴァ、ピサなどのイタリア商人に東方貿易(レヴァント貿易)で売り渡され、莫大な利益を生み出した。<この項、佐藤次高『マムルーク』1991 東大出版会 p.117 による>
印 刷
印刷画面へ
ノートの参照
第5章2節 イ.バグダードからカイロへ
書籍案内

佐藤次高『マムルーク』
1991 東大出版会