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北欧諸国

主としてノルマン人が建国した北ヨーロッパ、スカンジナヴィア半島とバルト海沿岸地方の国々。

 北ヨーロッパは、スカンジナヴィア半島、ユトランド半島、アイスランドを含み、現在の国家で言うと、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランドの五ヵ国がある地域。
 このうち、特にデンマーク・スウェーデン・ノルウェーの三国は共に民族的にはゲルマン人の一系統のノルマン人(かつてのヴァイキングといわれた人々の子孫)であり、かつては連合王国でもあって関係が深く、とくに北欧三国ということもある。フィンランドはやや系統が異なり、民族的にはウラル方面から移住したアジア系とされている(しかし長い間ノルマン系、スラヴ系との混血が続いたので、風貌ではわからない)。
 北欧諸国の歴史は8世紀頃のヴァイキングの活動から内容が豊富になるが、北欧神話として知られる『エッダ』で物語られている。またアイスランドにはノルウェー人との関わりの深い、中世説話である『サガ』が残されている。
 それらにはゲルマン人の一派でと同じく、自然崇拝や呪術信仰とともに、さまざまな英雄譚が含まれていて、キリスト教化する以前の社会を反映している。ヴァイキングとして周辺のゲルマン人やスラヴ人社会と接触しながら、11世紀頃までにキリスト教を取り入れ、同時に国家の形成の段階にはいる。

北欧史の概略

 北欧諸国の歴史を見ると、現在のような5ヵ国の枠組みになったのは20世紀のことであり、それ以前は国境も含めて現在の国家とは大きく異なっており、現在の北欧諸国を固定的に見ると誤解してしまうので注意を要する。
 また現在では北欧諸国はいずれも「小国」「中立国」というイメージが強いが、過去にはそうではなく、ヨーロッパの大国として強大な力を振るった時期もあった。ごくおおざっぱに見ると、北欧三国ではデンマークが最も強大であり、他の二つを実質的に従えていた時期(カルマル同盟=1397年~16世紀)があり、ついでそこから1523年にスウェーデンが独立し、次第に有力となってデンマークと争い優位に立ち、バルト帝国として東欧の大国となった時期がある。ノルウェーはデンマークに、フィンランドはスウェーデンに(後にはロシアに)、アイスランドはノルウェーにそれぞれ従属していた時期が長く、近代にいたって独立した地域である。従って、北欧史はデンマークとスウェーデンを軸にまとめるのがわかりやすい。

現代の「北欧モデル」

 現在、北欧諸国はいずれも高い教育程度、行き届いた社会福祉などで注目されている。社会福祉や教育、行政サービスの充実は高い税負担に支えられている。60%に達する所得税に対しても、国民は不満をもたず、豊かな社会生活を享受しているといえる。女性の就業率も高いが、充実した保育制度によって少子化には歯止めがかかり、そして経済成長率も3~5%を維持している。この「北欧モデル」は、グローバリゼーション時代に応じた自由競争と称して弱者切り捨てを進める日本とは対極にある考えとして注目されている。現代のデンマーク 現代のスウェーデン 現代のノルウェー
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第6章1節 キ.外敵の侵入と西ヨーロッパの混乱