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デウシルメ

オスマン帝国のイェニチェリとしてキリスト教徒を強制的に徴兵すること。

 デウシルメとは、オスマン帝国の常備軍制度であるイェニチェリの制度のもとで、主にバルカン半島のキリスト教徒の少年を強制的に兵士として徴用すること。デウシルメはトルコ語で「集めること」を意味し、オスマン帝国に特異な常備軍兵士の補充方法であった。他のイスラーム諸王朝でのマムルークは奴隷として購入しなければならないので費用がかかるが、デウシルメ制は強制徴用なので費用がかからない利点があった。徴用されるのはキリスト教徒の子弟で、一人っ子を除く8歳から20歳ぐらいの健康な少年が選ばれ、護送されて中央に送られてイスラーム教に改宗させられ、訓練を受け、イェニチェリとして歩兵部隊の兵士となった。その中で容姿のすぐれた少年はスルタンの宮廷にカプクル(宮廷奴隷)として仕え、中には宰相に出世するものもあった。後にはイェニチェリ自身が世襲化され、デウシルメも形骸化したがオスマン帝国独特の制度として知られている。<鈴木董『オスマン帝国-イスラム世界の柔らかい専制-』 1992 講談社現代新書 p.215~>
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ノートの参照
7章3節 トルコ・イラン世界の展開
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鈴木董
『オスマン帝国 -イスラム世界の柔らかい専制-』
1992 講談社現代新書