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カトリック教徒解放法

 

1829年成立したイギリスの法律で、カトリック教徒が公職に就くことを認めた自由主義的改革のひとつ。イギリスではエリザベス1世による国教会の確立以来、カトリック教徒はきびしく差別されていた。特に1673年の審査法で公職から排除されていた。つまり、国会議員にもなれない、ということであった。1801年にイギリスはアイルランドを併合したが、カトリック教徒の権利は認められなかったので、この合同に反対する動きも強かった。
 アイルランドの地主、オコンネルは「カトリック協会」を設立して、カトリック教徒の権利の実現をめざして運動を開始していた。1828年に審査法が廃止され、非国教徒の高唱クシュウ人などは可能となったが、カトリック教徒には依然として公職就任の権利は認められていなかった。その年の夏、オコンネルは、自らアイルランドの下院議員補欠選挙に立候補して当選したが、カトリック教徒であることを理由に議席につくことが出来なかった。これを機に運動が盛り上がり、時のトーリ党ウェリントン内閣が「カトリック教徒解放法」の制定に踏み切り、翌1829年に議会で成立した。これによってカトリック教徒に国教会教徒と同等の権利が認められた。
 しかし、トーリ党保守派や一般国民のなかには、カトリックに対する反発、差別意識は根深く、アイルランドにおけるカトリック教徒への差別問題は、その後も「アイルランド問題」として現代まで続いていく。
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ノートの参照
第12章1節 ウ.七月革命とイギリスの諸改革