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利権回収運動

20世紀初め、列強の中国分割によって奪われた権益を中国民族資本家が買い戻しを進めた。

 20世紀はじめ、清朝末期の中国で、帝国主義列強の中国分割によって奪われた鉄道敷設権や鉱山採掘権などの利権を中国人の手に回収することをめざした、中国の民族資本家による運動。資金は在外の華僑から支援された。その華僑から始まったアメリカ商品ボイコット運動と平行して起こった中国民族主義(ナショナリズム)運動の高まりを示すものであった。
 その代表的な例は、1904年にアメリカからベルギーへ売られた粤漢線(広州-漢口)の敷設権で、沿線地域の地方エリートが湖広総督張之洞(漢人官僚)と協力し、1905年に675万ドルで買い戻した。買い戻された敷設権によって民営の鉄道会社が各地で設立された。それに対して清朝政府は、1911年5月に鉄道の国有化政策を打ち出した。その目的は鉄道敷設権を担保とした外国からの借款であり、地方エリートの自治的な動きに対する清朝政府の統制強化であった。さっそく回収されたばかりの粤漢線と川漢線(成都-漢口)がターゲットになると、湖南、広東、湖北などの民族資本家や学生が中心となって国有化反対の運動が起こった。その中で最も激しい暴動が起こり、辛亥革命の発火点となったのが1911年8月の四川暴動であった。<菊池秀明『ラストエンペラーと近代中国』2004 中国の歴史10 講談社 p.158>
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第14章3節 エ.辛亥革命