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アニミズム

霊魂あるいは精霊を信仰する原始的な宗教形態。

霊魂・精霊を崇拝する信仰

 原始宗教に広く見ることのできる霊魂あるいは精霊に対する信仰をアニミズムという。ことばは霊魂を意味するラテン語のアニマからきている。原始宗教では人間だけでなく、動物や無機物にも精霊の存在を認めている。例えば山の神や大きな岩に精霊が宿っているなどと言うのがそれである。このようなアニミズムが宗教の最も原始的な形態であると考えられている。アニミズムは各地の民族宗教の中にも生きており、中国の道教の源流の一つである神仙思想の不老不死の仙人を信じることなどに見られる。 → シャーマニズム

アニミズムの意味

 人間は、道具やことばを使うようになる以前は、自然の中に存在することを無意識的に自覚していた。そのころは動物を始めとする人間以外のすべての存在は、自らのうちに内在していた。ところが、道具や言語を使用するようになって、人間は自分たちの外にある世界を対象化し、世界の中に内在することが出来なくなってしまった。そのような段階になって人間は、動物をはじめとする周囲の世界との一体感をとりもどし、そこに生命に対する親和や畏怖を感じるようになった。そのような人間の原始的な心性がアニミズムと言われている。
 アニミズム animism という概念を提唱したのは、E.D.タイラーの『原始文化』(1871)であったが、タイラーは「人間には身体のほかにそれを生かし動かす霊魂が存在し、そうした霊魂は人間以外の他の様々な存在にもある」という信仰体系をアニミズムと規定し、人間の最も原初的な形態の宗教であると論じた。<竹沢尚一郎『ホモ・サピエンスの宗教史』2023 中央公論新社 p.59 同書は第2章「アニミズムの世界」で狩猟採集民の宗教として詳しく論じている。>
 アニミズムは原初的な宗教形態であったばかりでなく、過去から現代にいたるさまざまな人間の社会・文化の中に根ざし、生き続けている。アニミズムはアニマル(動物)、アニメート(生きている)、アニメーション(活気)の語源であるアニマ(生気)から来ており、あらゆる事物には「生命」が存在するという思想でもある。そのような観念の下では、死とは身体から生命の力がはなれていったことを意味し、その生命の力は「霊」として畏怖や儀礼の対象となる。生者は共同体の共通の死霊を慰撫し、供養する。そのような「自然の霊化」であるアニミズムから宗教儀礼が始まった。<村武精一『アニミズムの世界』1997 吉川弘文館 p.12>
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竹沢 尚一郎
『ホモ・サピエンスの宗教史-宗教は人類になにをもたらしたのか』
中公選書 2023

国立民族学博物館名誉教授。人類学の観点から宗教の起源、その意味の解明にあたる。

村武精一
『アニミズムの世界』
歴史文化ライブラリー 16
1997 吉川弘文館

御霊信仰や下北の恐山など、日本のアニミズムを分析。