シャーマニズム
神がかりする能力を持つシャーマンを中心とした原始的な宗教体系。
シャーマニズムとは、特別な能力を持つシャーマン(呪術者)を通じて神々とつながっていると考える原始宗教の一つの形態で、アニミズムから発展したものと考えられる。シャーマンは多くは女性で、日本で言えば巫女にあたる。神がかりして神の言葉を人々に伝える事のできる特別な人間であり、時として大きな力を持った。特に狩猟民族では狩りや戦いの正否を占いによって決することが広く行われ、その際にシャーマンは重要な役割をになった。ツングース系の民族での巫女をシャーマンというところからシャーマニズムという用語が一般化した。
シャーマニズムの広がり
神意を占うと言うことは文明段階になってからも「神権政治」として継承され、ギリシアではペルシア戦争の時代まで「デルフォイの神託」がポリスの政治や戦争の際に決定的な役割を担っていたことはヘロドトスの『歴史』を見るとよくわかる。物事を神託によって決し、神意をただすために犠牲獣を捧げることは中国のみならずアレクサンドロス時代から、ゲルマン民族まで広く見られる。東アジアにおいては『魏志倭人伝』の伝える邪馬台国の卑弥呼が「よく鬼道に事(つか)え」というのもシャーマニズムの要素が認められ、後の日本の天皇制の儀礼につながっている。