死者の書
古代の
エジプト文明において、死者が死後の世界に行く時に持っていく、生前の行状などを書いたもの。死者は遺体を
ミイラにし、冥界で復活するための手続きに必要な呪文集である「死者の書」を持って棺に入った。初めは棺(コフィン)に書かれたので、コフィン・テキストといわれるが、前2000年紀半ばごろから
パピルスの巻物に書かれてミイラとともに棺に納められるようになった。内容は呪文であるが、「死者の裁判」に備えて故人の生前の弁明が記されているので、現存する「死者の書」の解読によってエジプト社会の実態が明らかになってきた。