トロイア/トロヤ/トロイア遺跡
古代ギリシアのトロイアのエーゲ文明遺跡。1871年にシュリーマンが発見し、発掘した結果、古代トロイアの王宮跡であることが判明した。
トロイア遺跡
世界遺産
1998年、トロイの古代遺跡としてトルコの世界遺産に登録された。世界遺産 トロイの古代遺跡
Episode シュリーマンの評判と「トロイアの財宝」
シュリーマンの発掘は世界を驚かす大発見であった。その歴史的価値は覆ることはない。しかし、現在の研究ではシュリーマンの見解やその発掘術はずいぶんと雑で、乱暴だったことが指摘されている。トロイア遺跡は9層から成っているが、シュリーマンはその第2層をホメロスの時代の遺跡と考えたが、現在は第7層がそれにあたることがわかってきた。ところが、肝腎の第7層はシュリーマンの発掘の時、ほとんど削り取られて消えてしまったいるという。素人であり、発掘技術も進んでいなかった時代とはいえ、残念なこととされている。またシュリーマンに対しても、売名行為を非難する声も当時から強かった。また、トロイアで発掘された出土品(いわゆる「プリアモスの財宝」)を祖国ドイツに寄贈した。ところがベルリンにあったはずのこの財宝は1945年に行方不明になってしまった。最近、モスクワのプーシキン美術館で発見されたという。<桜井万里子他『ギリシアとローマ』世界の歴史5 中央公論新社 p.26-28 などによる>