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ナンダ朝

北インドのマガダ国で前4世紀ごろ成立した王朝。前317年にマウリヤ朝に交替した。

 古代インドのマガダ国の王朝で、前4世紀中ごろに、シャイシュナーガ朝に代わり成立した。この王朝は巨大な軍事力を持ち、経済政策の面でも特別の成果を収めたらしい。「度量衡はナンダ朝の発明による」といわれており、またナンダ朝の発行した打刻銀貨は多種多様であるがその量目はじつに正確であった。
 ナンダ朝はビルマやセイロンとも交易を行い、西方に興ったアケメネス朝ペルシアがパンジャーブ地方に進出してくると、イラン文明の影響をけた。前4世紀末、アレクサンドロスのインド侵入があったが、ナンダ朝は滅ぼされることはなかった。しかし、それを契機に衰えはじめ、マガダ国では前317年にチャンドラグプタによって滅ぼされ、マウリヤ朝に交替した。<中村元『古代インド』 講談社学術文庫 p.156 などによる>
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