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マトゥラー

インド中心部にあるガンダーラと同時期(あるいはより古い)の仏教美術の宝庫。クシャーナ朝の福戸としても栄えた。

マトゥラー GoogleMap

マトゥラー(またはマトゥーラ)はデリーの南、ガンジス川の支流ヤムナー川の中流西岸にあり古くからの宗教都市で「神々のまち」としてローマにも知られていた。マトゥラ-にはガンダーラと同じ時期に仏像彫刻が始まっており、それがガンダーラ彫刻と違ってヘレニズムの影響を受けていないところから、仏像彫刻の起源をインド独自のものとする説があり、ガンダーラ起源説と対立している。<高田修『仏像の誕生』岩波新書 1987>

クシャーナ朝の副都

 マトゥラーでは、この地特有の赤砂岩を用いたインド伝統の技法を駆使して作られた仏像の他に、ジナ・マハーヴィーラの像の出現した。紀元1世紀中頃のクシャーナ朝カニシカ王は、ガンダーラ地方のプルシャプラを都としていたが、インド中央部への進出をはかり、このマトゥーラを副都とした。マトゥラー近郊のマート遺跡からは、中央アジア風の外套を身につけフェルトの長靴をはいたカニシカ王と思われる立像(頭部を欠く)が出土している。

出題

2011年 京都大学 文中の( )の中に最も適切な語句を入れ、さらに下線部について下の問いに答えよ。
(前略)紀元後1世紀に中央アジアのイラン系民族とされる( a )族の勢力がインダス川流域にも及び、( a )朝を建てた。この王朝は2世紀半ばの( b )王の時代が最盛期で中央アジアからガンジス川中流域までを支配し、仏教を庇護し、首都プルシャプラを中心とする( c )地方でも、仏像が製作され始めた
問 インド中部において、より古い時代から仏像が製作された、ヤムナー河畔にある都市の名を記せ。

解答

解説

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書籍案内

高田修
『仏像の誕生』
1987 岩波新書