古代中国の
戦国時代に活躍した
諸子百家の一つ。天体の運行と人間社会のありかたとの関連を説く一派。自然現象の変化を陰と陽の交替という原理で説明するのが陰陽説。その影響を受けて、前4世紀末の斉の
鄒衍(すうえん)が説いたのが五行説で、物質の根源を木・火・土・金・水の5要素からなり、その5要素が連続的に循環し変化すると考えた。鄒衍は五行説によって帝王の徳を分け、それによって
王朝交替の理論を説いた。それによれば、周王室は火徳であり、それに勝った秦王室は水徳であるとされる。漢代には陰陽説と五行説が結びつき
陰陽五行説となり、その後の中国人の俗信となって現代にも生き残っている。