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ウマイヤ=モスク

ダマスクスにある、ウマイヤ朝時代の8世紀に作られた最古のモスク。

ウマイヤ=モスク

 ダマスクスにはローマ時代からの遺跡が多いが、中心にあるのは、ウマイヤ朝カリフ・ワリード1世が建設したウマイヤ=モスクである。706~714年に建造されたもので、イスラーム世界の最古のモスクとされている。高さ20m、東西157m、南北100mの巨大なモスクである。
 もともと、イスラーム以前のビザンツ帝国時代の、ギリシア正教の聖ヨハネ教会の一部を転用したものであるので、壁面のモザイク壁画にはビザンツ様式の伝統が継承されており、モスクらしくない雰囲気が感じられる。その後、11世紀にセルジューク朝の時に改築され、さらにその後に火災にあい、20世紀に再建されたのが現在見ることのできる建物であるが、初期のモスクであると当時にビザンツ様式の壁画も残されているので貴重な建造物と言える。現在、古都ダマスクスとして世界遺産とされており、その中心的施設となっている。
ウマイヤモスク ウマイヤモスク
ダマスクスのウマイヤ=モスク
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書籍案内

佐藤次高
『イスラーム世界の興隆』
世界の歴史 8
1997 中央公論社