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ハラージュ

イスラーム世界に於ける地租のこと。人頭税(ジズヤ)と並んで主要な税目となった。

 イスラームでの地租をハラージュという。イスラーム政権が砂漠地帯からメソポタミアの農耕地帯に広がる過程で、土地所有者に税を負担させて国家財政を補うようになった。生産物か家畜の一部で納められ、国庫の大きな割合を占めていた。はじめはイスラームに改宗しない非アラブ人(ジンミー(ズィンミー)と言われた。ユダヤ教徒・キリスト教徒などの「啓典の民」。)に対し、人頭税(ジズヤ)とともに課せられていたが、ウマイヤ朝のもとで、改宗した非アラブ人(新改宗者、マワーリーと言われた。)にも課せられるようになった。アラブ人はジズヤもハラージュも納める必要はなかった。このようなアラブ人イスラーム教徒と非アラブ人イスラーム教徒の差別に対する不満が強くなったので、ウマイヤ朝の末期にはアラブ人にも課せられるようになり、次のアッバース朝もそれを継承し、アラブ人イスラーム教徒からも征服地に土地を持つ場合はハラージュを納めさせることし、その平等化を図った。
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