ルーム=セルジューク朝
セルジューク朝の本家から分かれて小アジアを支配し、1077年に成立した地方政権。十字軍と戦った後、モンゴル帝国の侵攻を受け13世紀後半に衰退した。
セルジューク朝のアルプ=アルスラーンは小アジア(アナトリア)に進出し、1071年のマンジケルトの戦いでビザンツ軍を破った。その後、セルジューク朝はバグダードの本家の他に、ケルマーン、ルーム、シリア、イラクの四つの地方政権に分裂した。そのうち、小アジア(アナトリア)に分立したのがルーム=セルジューク朝である。ルームとは小アジア(アナトリア)地方のことで、かつてローマ帝国領であったところからそういわれた。初代のスルタン、スライマーンは1077年にニケーアを都にした。ニケーアは4世紀にニケーア公会議が開催されたところであったが、これによってイスラーム化が進んだ。
十字軍と戦う
まもなくキリスト教世界の十字軍運動が始まるが、それを迎え撃ったのもルーム=セルジューク朝であった。第1回十字軍によってニケーアを占領されたので都をコンヤに遷した。13世紀には最盛期を迎えたが、1243年モンゴル帝国軍の侵入を受け衰退し、1278年にイル=ハン国の属国となった。1308年に完全に滅亡した。