アター
イスラーム帝国での軍人に対する貨幣による俸給。
イスラーム帝国のウマイヤ朝、アッバース朝で行われた、軍人に現金で支給された俸給のこと。軍人登録台帳に登録されたアラブ人の戦士に支給され、アラブ人の特権の一つだったので、次第に非アラブ人のイスラーム教徒兵士の不満のもととなった。この軍人登録台帳を意味するディーワーンが、俸給支給業務を行う役所をさす言葉となり、後には役所一般を指すようになる。このような制度が行われていたことは、イスラームの貨幣経済が発達していたことを示している。