イスラームの貨幣経済を支えた
銀貨。銀貨はディルハム(ギリシア・ローマでは
ドラクマと言われた)としてササン朝ペルシア以来、イラン・イラクで流通していたが、
ウマイヤ朝のカリフ、
アブド=アルマリクが
ディナール金貨とともにダマスクスで鋳造した。イラク総督ハッジャージュ=ビン=ユスフ(在位694~714)がそれにならい、同じ形式の貨幣を鋳造した。法定重量は2.97gであった。ディルハム銀貨は次の
アッバース朝でもイスラーム世界共通貨幣として流通した。
<佐藤次高『イスラーム世界の興隆』世界の歴史8 中央公論社 1997 p.107~などによる>