分益小作制/分益小作人
16世紀のヨーロッパの一部に見られる小作制度的な農地制度。地主が家畜・種などを小作人に貸し、収穫を折半などの比率で分け合う制度。小作人は地主などへの負債で貧困状態に置かれた。
16世紀のヨーロッパの中核地域である西ヨーロッパと、辺境である東ヨーロッパの中間的存在として半辺境ととらえらえる、南フランスなど地中海岸ででみられた労働管理の方式で、地主が小作農から、生産利益の50%を収奪する体制を言う。小作人は高利貸的な地主のもとで常に負債を負い、半農奴的な存在であった。ウォーラーステインの「近代世界システム」論では、「世界経済」の「半辺境」における労働管理の形態とされる。
なお、分益小作人という用語は、19世紀後半のアメリカで黒人奴隷解放後に現れたシェアクロッパー Share-cropper の訳語としても使われる。基本的には白人の地主と黒人の小作人の関係は分益小作制と同様であり、黒人は奴隷からは解放されたが、重い負債を負わされ、経済的自立が困難となって貧困が続き、黒人差別が続く要因となった。
なお、分益小作人という用語は、19世紀後半のアメリカで黒人奴隷解放後に現れたシェアクロッパー Share-cropper の訳語としても使われる。基本的には白人の地主と黒人の小作人の関係は分益小作制と同様であり、黒人は奴隷からは解放されたが、重い負債を負わされ、経済的自立が困難となって貧困が続き、黒人差別が続く要因となった。