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国王至上法/首長法

1534年、ヘンリ8世の時に制定された、イギリスの国王を教会の首長とする規定。イギリス国教会の基本となる法令で、メアリ1世の時否定された後、1559年、エリザベス1世が再度制定し、確定した。。

 Act of Supremacy 国王至上法、首長法とも訳す。1534年、イギリスのヘンリ8世が議会に提出して承認された。イギリスの教会は、国王を唯一最高の首長とすることを規定。これによってイギリスのキリスト教教会は、ローマ教会から分離独立することとなり、イギリス国教会が成立した。この法律は、教皇至上権を否定し、教会の人事、教会領の掌握などを国王が管理統制するという、統一国家形成には欠くことのできない改革であった。

カトリック反動と首長法の再制定

 首長法はエドワード6世も継承したが、次のメアリ1世(スペインのフェリペ2世と結婚していた)は熱心なカトリック信者であったので、首長法を覆しローマ教皇至上権を認め、国教会信者を弾圧した。しかし、1558年に即位したエリザベス1世は、翌1559年、直ちに首長法を再度制定し、イギリス国教会が完成される。ただし、エリザベス1世の首長法では、イギリス国王は教会の「統治者」とされ、宗教指導者よりも世俗権力である面が強められた。これは国王を教会の首長とすることには抵抗を覚える人びともいたため、妥協したものである。同じくエリザベス1世は、統一法を制定、エドワード6世の時定められた一般祈祷書にもとづき、プロテスタント方式での礼拝・祈祷を行うことを確定した。これらによってイギリス国教会の独自信仰体系が完成した。
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