モーガン/モルガン
19世紀末、鉄道、鉄鋼、金融などで急成長したアメリカの大財閥。1901年にはカーネギーの製鉄会社を買収してUSスチールを設立した。/p>
アメリカのモーガン財閥を創始したジョン=モーガン(1837~1913)(モルガン)は、1871年モーガン商会を設立し、父祖の資産を運用して鉄道・鉄鋼(USスチール)・海運・金融などへの融資をつうじてアメリカの産業界を支配した。19世紀末のクリーヴランドなどの民主党政権を支えるなど、政界にも隠然とした影響力を持った。 → アメリカ帝国主義
USスチール モーガンは、カーネギーの操業したカーネギー・スチールを1901年に買収してUSスチールの設立、ピッツバーグに本社を置いて、全米最大の製鉄会社に成長させた。USスチールはアメリカの鉄鋼生産の3分の2を占める独占企業となり、アメリカ政府の反トラスト法の対象となったが、その適用を回避し、生き残った。しかし、1919年にはアメリカ労働総同盟の指導による大規模なストライキが起こり、その経営は徐々に衰退した。第2次世界大戦には軍需産業として復興し、戦後も経営規模を拡大、石油産業の成長に伴う鋼管の生産などで収益を上げたが、国際競争力の激化などから困難な経営を強いられるようになった。
大統領選挙を制したトランプが2025年1月に第2次政権を発足させると、安全保障上の問題などを理由に、日本製鉄によるUSスチール買収に難色を示し、投資という形をとるべきと表明した。その後、水面下での交渉が進み、5月になってトランプ政権は方向を転換、安全保障上のリスク回避などを条件に、実質的な買収に合意する動きがでてきた。まだ結論は出ていないが、トランプが仕掛けた関税引き上げと絡んで、日米間の綱引きが続いている。<2025/5/28記>
→ 読売新聞オンライン トランプに翻弄される買収計画 2025/5/27
USスチール モーガンは、カーネギーの操業したカーネギー・スチールを1901年に買収してUSスチールの設立、ピッツバーグに本社を置いて、全米最大の製鉄会社に成長させた。USスチールはアメリカの鉄鋼生産の3分の2を占める独占企業となり、アメリカ政府の反トラスト法の対象となったが、その適用を回避し、生き残った。しかし、1919年にはアメリカ労働総同盟の指導による大規模なストライキが起こり、その経営は徐々に衰退した。第2次世界大戦には軍需産業として復興し、戦後も経営規模を拡大、石油産業の成長に伴う鋼管の生産などで収益を上げたが、国際競争力の激化などから困難な経営を強いられるようになった。
NewS 日本製鉄によるUSスチールの買収
2023年12月、日本製鉄は、USスチールの買収計画を発表、大きなニュースとなった。日本製鉄に対抗してアメリカの同業者クリーブランド・クリフスも買収に名乗りを上げたが、結局、日本製鉄が買収額で上回り(総額約141億米ドル、日本円で1兆4100億円)、株主総会も賛成多数で買収は承認された。しかし、モーガンやカーネギーが創業した歴史あるアメリカの企業を、日本資本が買収することには強い拒否反応があり、おりから2024年11月のサメリカ大統領選挙では民主党のタマラ・ハリス候補、共和党のトランプ候補もともに反対を表明した。大統領選挙を制したトランプが2025年1月に第2次政権を発足させると、安全保障上の問題などを理由に、日本製鉄によるUSスチール買収に難色を示し、投資という形をとるべきと表明した。その後、水面下での交渉が進み、5月になってトランプ政権は方向を転換、安全保障上のリスク回避などを条件に、実質的な買収に合意する動きがでてきた。まだ結論は出ていないが、トランプが仕掛けた関税引き上げと絡んで、日米間の綱引きが続いている。<2025/5/28記>
→ 読売新聞オンライン トランプに翻弄される買収計画 2025/5/27