第1章・オリエントと地中海世界
★★★ オリエント文明とその影響
2007 早大・商
【問】次の文章を読み、設問A~Jに答えよ。
人類が最初に農耕・牧畜生活をはじめた地域のひとつは,西アジアの「肥沃な三日月地帯」の山麓山地方であったと考えられています。西アジアとエジプトをふくむ地域はオリエントとよばれ,(A)メソポタミア文明と(B)エジプト文明が誕生し,初期の都市国家や王国が樹立されました。オリエント地域では早くから(C)金属器が使われ,(D)文字も考案されました。また,農耕や祭りのために(E)天文学や暦を発達させるとともに,(F)数学や建築学などが大いに栄えました。メソポタミアとエジプトで発達した科学技術は,その後,(G)この地域を支配した多くの民族に受け継がれていきましたが,前4世紀にギリシア世界の拡大の中で新たな文化であるヘレニズム文化に融合されていきました。(H)エジプトのアレクサンドリアには,大図書館や研究所(ムセイオン)がつくられ,様々な分野の人々が活躍しました。
7世紀にアラビア半島に誕生したイスラーム教は,短期間のうちにオリエント地域に拡大し,イスラーム世界が出現しました。イスラーム教の信仰によって結ぼれたイスラーム世界では,(I)イスラーム暦など古い伝統を守りつづけているものもある一方で,古代オリエント以来の豊かな文化のうえに,ギリシア,イラン,(J)インドなど周辺の先進諸文化をとりいれた特色ある文化が生みだされました。
7世紀にアラビア半島に誕生したイスラーム教は,短期間のうちにオリエント地域に拡大し,イスラーム世界が出現しました。イスラーム教の信仰によって結ぼれたイスラーム世界では,(I)イスラーム暦など古い伝統を守りつづけているものもある一方で,古代オリエント以来の豊かな文化のうえに,ギリシア,イラン,(J)インドなど周辺の先進諸文化をとりいれた特色ある文化が生みだされました。
- 問A.
- 下線部(A)について前4千年紀に南メソポタミアに住みつき,この文明をつくりだした人々はどれか。
1.シュメール人 2.エラム人 3.アッカド人 4.バビロニア人 - 問B.
- 下線部(B)について,この文明の記述として正しい文章はどれか。
- 1.
- ピラミッドが盛んに建設された古王国時代が終わると,すぐにヒクソスの侵入を受けた。
- 2.
- 国王はファラオとよばれ神の化身として崇拝され,王国を支配していた。
- 3.
- ヒクソスを撃退して成立した新王国は,アッシリアの侵入によって滅んだ。
- 4.
- 中王国の第18王朝のトトメス3世時代に,王国の領土は最大となった。
- 問C.
- 下線部(C)について前2千年紀に鉄器をはじめて本格的に使用した人々はどれか。
1.カッシート人 2.アッシリア人 3.ミタンニ人 4.ヒッタイト人 - 問D.
- 下線部(D)について正しい文章はどれか。
- 1.
- バビロニア人が粘土板に記した文字は,ヒエログリフとよばれる。
- 2.
- フェニキア人は,アルファベットをギリシア人から学んだ。
- 3.
- メソポタミア最古のシュメール文字は,未解読である。
- 4.
- シナイ文字は,エジプト文字から誕生した。
- 問E.
- 下線部(E)について正しい文章はどれか。
- 1.
- バビロニア人は, 1週間を7日とした。
- 2.
- アッシリア人は, 1年365日の太陽暦をつくった。
- 3.
- シュメール人は,昼と夜をそれぞれ12等分した。
- 4.
- アッカド人は, 1週間を10日とした。
- 問F.
- 下線部(F)について古代メソポタミアで考え出したとされるものはどれか。
1.2進法 2.12進法 3.30進法 4.60進法 - 問G.
- 下線部(G)について正しい文章はどれか。
- 1.
- ヒッタイトは,メソポタミアをふくむオリエント地域をはじめて征服した。
- 2.
- エジプトは,ヒッタイトを破りメソポタミアをふくむオリエント地域を支配した。
- 3.
- アケメネス朝ペルシアのダレイオス1世は,マケドニアを滅ぼしオリエント全域を支配した。
- 4.
- アッシリアは,前7世紀前半にエジプトをふくむオリエント地域をはじめて征服した。
- 問H.
- 下線部(H)について,ヘレニズム時代のアレクサンドリアで活躍した人物はだれか。
1.アリストテレス 2.へロドトス 3.エウクレイデス 4.プルタルコス - 問I.
- 下線部(I)のイスラーム暦の1年は何日か。
1 . 354日 2.356日 3.358日 4.360日 - 問J.
- 下線部(J)についてインドからの影響で導入されたものはどれか。
1.アーチ建築 2.ゼロの概念 3.ドーム建築 4.π(パイ)の概念
解 答
A | B | C | D | E | F | G | H | I | J |
1 | 2 | 4 | 4 | 1 | 4 | 4 | 3 | 1 | 2 |
解 説: