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最後の審判

キリスト教に見られる終末観。ミケランジェロのシスティナ礼拝堂壁画の題材となったものが有名。その源流はゾロアスター教にもあった。

 キリスト教の終末観。世界はやがて終末を迎え、そのときに人々はイエス=キリストを通じて審判されると信じられている。イエス=キリストはこの最後の審判で、すべての人の罪を許し、人類を救済して永遠の生命を実現するとされている。
 このように「最後の審判」はキリスト教固有の終末観と考えられがちであるが、実は古代イランのゾロアスター教の教義のなかに、善神アフラ=マズダと悪神アーリマンの最後の戦闘が行われ、そこで最後の審判が下されるという形で現れており、それがユダヤ教のなかに取り入れられ、キリスト教にひきつがれたものという。

ミケランジェロの『最後の審判』

 ルネサンスを代表する芸術家ミケランジェロが、ローマ教皇パウルス3世のもとで、システィナ礼拝堂の正面壁画として描いた「最後の審判」はこの信仰をモチーフとしている。この大作は1534年に制作を開始し、1541年に完成した。人を圧倒する絵画は、人間の赤裸々な姿を描き、当時もカトリック教会内で大きな議論を巻き起こし、一部修正がなされている。 → ミケランジェロの項を参照。
ミケランジェロ『最後の審判』
ミケランジェロ『最後の審判』 1537-1541
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