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ヘラクレイトス

古典期ギリシアの自然哲学者。

前6~5世紀初めのイオニア自然哲学の一人で、イオニア地方のエフェソスで生まれ、万物の根源にある物質は一定のものではなく、常に変化すると考え、その基になるのは火であるとした。その考えを端的に「万物は流転する」(パンタ・レイ)と言った。

Episode ヘラクレイトスの政治嫌い

(引用)エペソス(エフェソス)のひと、ヘラクレイトスは、古い王族の家柄を出自としているといわれる。その説がきわめて難解であったからなのか、「闇(くら)いひと」「謎をかける火と」と呼ばれていた。生粋の政治嫌いで、法律の制定をもとめるエペソスのひとびとの懇願をにべもなくことわり、子どもたちに交じって、サイコロ遊びに興じていたと言われる(『ギリシア哲学者列伝』)。「エペソスのやつらなど成人はみな首をくくってしまえ」と暴言を吐いたともつたえられている(断片B)文体の晦渋は古代人をもすでに悩ませていたいたらしく、ヘラクレイトスの文章には、句読点を打つことも困難であると、とアリストテレスが嘆じている(『修辞学』)。<熊野純彦『西洋哲学史 古代から中世へ』2006 岩波新書 p.25>
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第1章2節 コ.ギリシアの生活と文化