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サモトラケのニケ

サモトラケのニケ
サモトラケのニケ

ヘレニズム美術の代表的な遺品。

 ミロのヴィーナスとともにパリのルーヴル美術館の至宝とされる、ヘレニズム時代のギリシア彫刻の傑作。前180年頃、ロードス島の人々がシリアのアンティオコス3世に対する戦勝の感謝のしるしにサモトラケ島のカペイロイの神域近くに建てたものと考えられている。
(引用)空の高みから舞い下って今しも舟の舳に降り立った勝利の女神は大きな翼をはばたき納める前のかたちに一杯に拡げて居る。恐らく右腕は上に左手は下に、そして首は幾分左肩の方に向いてい居たと推せられる。腰まで届く大きな折返しの上から胸高に帯を締めた薄地のキトンは向かい風のために女神の身体の起伏を露わにしながら細かい流れるような褶襞を作る。外衣の前に出した右腿から厚く畳まれ斜めに流れて左足の前に台上に余っている。この衣文の彫法は驚くべき技巧の極地を示している。・・・・<沢柳大五郎『ギリシア美術』1964 岩波新書 p.243>

Episode 勝利の女神ニケは今は・・・

 サモトラケ島で彫像されたニケは、ギリシア神話では女神アテナに従い、勝利をもたらすという「勝利の女神」である。その姿は翼を広げていることが多い。ローマ神話ではヴィクトリアにあたる。ニケ Nike は、ギリシアではニーケーと発音するが、英語での発音は「ナイキ」。スポーツ用具メーカー「ナイキ」は、創業者の一人が勝利の女神の夢を見たことに由来するという(Wikipedia による)。いま、ギリシア神話の勝利の女神ニケの翼が、世界中のフィールドや体育館で躍動しているというわけだ。
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ノートの参照
1章2節 コ.ギリシアの生活と文化