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バラモン教

インドのアーリヤ人社会に生まれた原始的多神教。インド社会に定着し後のヒンドゥー教の母胎となる。

アーリヤ人の自然崇拝から起こった多神教で、『ヴェーダ』を聖典として成立した。アーリヤ人がインドを征服する過程で生じた身分制度であるヴァルナ制と、それを基本に形成された多数のジャーティから成るカースト社会とむすびついている。祭祀を司るバラモンの権威が強く、しだいに形式的になり、前5世紀頃から改革運動が起こり、ウパニシャッド哲学という独自のインド思想が生まれる。またバラモン教の形式化を批判して、仏教やジャイナ教がおこるが、民衆の日常生活の中ではなおもバラモンの教えは存続し、後のヒンドゥー教につながっていく。

バラモン教の改革

 ヴェーダ時代が終わり、部族社会が崩れ、前6世紀頃にガンジス中下流に都市国家が形成されてくると、武士階層のクシャトリヤと商業に従事するヴァイシャが台頭し、バラモンの権威を否定して新しい宗教が生まれた。その第一が仏教であり、第二がジャイナ教、そして第三の動きがバラモン教の改革である。バラモン教の改革とは、バラモン教が形式的な祭式至上主義に陥っていたのに対し、『ウパニシャッド』にもとづいて内面的な思索を深めるウパニシャッド哲学が興ったことをいう。
 山川出版社の新課程版『詳説世界史』では、以上のように説かれているが、『ウパニシャッド』そのものが編纂されたのは、前6世紀以降ではなく、前1000~500年頃の後期ヴェーダ時代のことであるので注意を要する。