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国風文化

遣唐使廃止後の日本で発展した日本風の文化。

 894年、菅原道真の建言で遣唐使が廃止され、日本の唐文化の受容の時代は終わり、10~11世紀にかけて、日本独自の文化の形成が進んだ。とくに仮名文字がつくられ、文学でも漢詩・漢文より和文で記された随筆や物語が生まれた。その代表作が『枕草子』や『源氏物語』である。また建築でも寝殿造などの貴族の邸宅に独自の造形美が見られるようになり、仏像彫刻でも藤原時代の独自の日本風な作風の発達があった。この間、政治の実権は天皇から藤原氏の摂関家に移り、摂関政治が展開された。

世界史的な意義

 10~11世紀は中国においてが滅亡(907年)して五代十国の争乱の時期に入り、さらにが統一を再建(960年)したものの、北方に強大な契丹(遼)が成立(916年)してその圧迫を受け、1004年には澶淵の盟が結ばれ、東アジアの国際秩序が大きく変動した時期であった。日本が遣唐使を廃止(894年)して独自の文化を形成するとともに、平将門の乱(939年)などの動乱を経て摂関政治から院政へと向かったのはアジアの情勢と無関係ではない。また仮名文字の工夫は同じように漢字をもとにして契丹文字西夏文字女真文字などが生まれていったのと同じ傾向にある。
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ノートの参照
第6章2節 ア.東アジアの勢力交代