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自動車

ドイツ人のダイムラーがガソリン・エンジンを4輪車を搭載して1886年に実用化した。1909年、アメリカでフォードが大量生産を開始。1913年にベルトコンベア=システムを導入して低価格化に成功して自動車の大衆化を実現した。

 1885年にドイツ人のダイムラーがガソリン・エンジンの小型化に成功、最初は二輪車に取りつけた。翌1886年に4輪馬車に取りつけて動かすことに成功、同年、同じくドイツ人のベンツが三輪車にガソリンエンジンを乗せて走らせた。この1886年が一般に、ガソリン自動車の始まりの年とされ、その後に急成長する自動車産業の出発雨天とされている。ダイムラーは1890年に株式会社とし、1926年にベンツ社と合併し、ダイムラー・ベンツ社というドイツ最大の企業となった。

フォードによる大量生産

 一方、アメリカでは1896年にガソリンエンジンで動く自動車を試作したフォードが、1903年にフォード=モータースを設立、分業生産した部品を車体を移動させて組み立てる方式でT型フォードを生産、1909年に売り出すと価格の安さと性能の良さで売り上げが急増した。生産量を増やす必要に迫られたフォードは、1913年にベルトコンベアを導入して生産効率を高めることに成功した。これによって自動車は一気に大衆化し、20世紀の最も重要な産業となった。
 自動車の大衆化と共に、鉄工業や様々な機械工業、ガソリンなどの石油産業、タイヤに利用されたゴムや窓ガラスなど、関連した工業で技術の革新、生産の合理化が進んだ。また、自動車の普及は、道路網の整備、物流、通信などあらゆる分野に大きな影響を与え、現代社会の人間生活を一変させるインパクトをもたらした。 → アメリカの大量生産・大量消費時代
 「交通」の分野では18世紀後半のイギリスの「運河」開削ブーム(運河狂時代)、19世紀30年代をピークにした「鉄道」ブーム(鉄道狂時代)に続く、20世紀の「自動車狂時代」が出現したが、同時にガソリン燃料の大量消費による環境の悪化、交通渋滞などの問題も深刻になっている。21世紀には電気自動車への転換が図られる段階となっている。
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