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第三世界

アジア・アフリカなどの植民地から独立を勝ち取った地域の諸国。特に冷戦時代には資本主義諸国の第一世界、社会主義諸国の第二世界の東西二陣営に対しその対立を抑止する力を発揮した。

 一般に、資本主義先進国を第一世界、社会主義諸国を第二世界としてくくり、そのいずれにも属さない、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ地域の旧植民地から独立した諸国や従属国から自立した諸国をまとめて第三世界、または第三勢力という言い方をした。東西冷戦時代が進行した五〇年代に生まれた言葉で、フランス人が革命前のアンシャン=レジームのもとでの第一身分、第二身分、第三身分になぞらえて使ったのが最初と言われている。
 特にインドのネルーが提唱し、1954年にコロンボ会議、翌55年にはアジア=アフリカ会議(AA会議)が開催され、アジア・アフリカで新たに独立した諸国が反植民地、反侵略戦争を掲げて結束し、その国際的な動きは東西冷戦構造を揺り動かす積極的な意味合いをもつようになって「第三世界」と言われるようになった。
 アジア=アフリカ会議ではネルーに続いて中国の周恩来、エジプトのナセル、インドネシアのスカルノ、ガーナのエンクルマなどが第三世界の指導者として知られるようになった。
 AA会議はインドの中国の国境紛争などのため開催されなくなったが、ユースラヴィアのティトー、インドのネルー、エジプトのナセルという3人の指導者の提唱する非同盟主義の理念に沿って、1961年に始まった非同盟諸国首脳会議は、新たな対立を含みながら、現在も断続的に開催されている。
 しかし、1990年代に冷戦が終結してからは、「第三世界」という用語はあまり使用されなくなっている。
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