印刷 | 通常画面に戻る |

パンチャシラ/建国五原則

インドネシア共和国の国是とされている五原則。1960年代後半からのスハルト政権下で特に強調された。

 インドネシア共和国の国是とされる五原則。パンチャは5、シラは「徳」をあらわすサンスクリット語である(ネルーと周恩来が掲げた平和五原則もパンチャシラという)。1945年8月17日のインドネシア共和国独立の時に制定した憲法の前文に次のような文面と順序で規定されている。
 1.唯一神への信仰
 2.公平で文化的な人道主義
 3.インドネシアの統一
 4.協議と代議制において英知によって導かれる民主主義
 5.インドネシア全人民に対する社会正義

スハルト政権下での強調

 パンチャシラは一貫してインドネシアの建国理念として重視されてきたが、特にスハルト政権になってから、パンチャシラ精神として学校教育などを通じて徹底がはかられている。その中で重視されているのが第1項の「唯一神への信仰」であり、インドネシアが敬虔な宗教国家であることが強調されている。インドネシアで最も多い宗教はイスラーム教だが、イスラーム教を国教としているわけではなく、キリスト教のカトリックとプロテスタント、ヒンドゥー教、仏教は容認されている。ただし、この5つの宗教のみであり、それ以外の土俗的な信仰は宗教と認められていない。国民はこの5つの宗教のいずれかに分類、登録されており、国民の祝日にもキリスト教や仏教の祭日も含まれている。この項が強調されるのは、共産主義思想はインドネシアのパンチャシラ精神に合わないという点であり、インドネシア共産党の非合法化の理由とされている。 → 現代のインドネシア
印 刷
印刷画面へ
ノートの参照
第16章3節 オ.アジアと開発独裁