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ダルフール紛争

2003年、スーダン政府軍による非アラブ系の黒人への虐殺行為が問題となった。

 スーダン共和国の西部のダルフール地方における、非アラブ系住民とアラブ系住民の対立から起こった内紛。スーダン政府がアラブ人組織による虐殺行為を黙認、あるいは支持しているとして国際的に非難されている。ダルフール地方はサハラ砂漠に含まれ、非アラブ系のオアシス農耕民と、アラブ系の遊牧民が生活している。彼らはいずれもイスラーム教徒であるが、民族の違い、農耕民と遊牧民の違いから日常的に対立していた。
 この対立は、1983~2004年のスーダン内戦のイスラーム教徒と非イスラーム教徒の対立とは異なり、同じイスラーム教徒のアラブ系と非アラブ系のエスニックグループの対立という構図である。2003年からジャンジャウィードと言われるアラブ系民兵が非アラブ系村落を襲撃し、「民族浄化」さながらの虐殺や暴行をくり返すようになり、それに反発した武装グループも反撃し、首都ハルツームを攻撃するなど、紛争が拡大し、国連やアフリカ連合(AU)が調停に乗り出しているが、2009年現在、事態は収束していない。

国際刑事裁判所がスーダン大統領を告発

 2009年3月、国際刑事裁判所(ICC)のモレノ=オカンポ主任検察官は、現職のスーダンのバシル大統領に対する逮捕状を発行した。嫌疑は、2003年にはじまるダルフール紛争で住民虐殺を容認し、指令したというものだ。特別の国際法廷ではなく、常設の国際刑事裁判所が現職の大統領の告発に踏み切ったのは初めてである。バシル大統領はICCの行為は内政干渉であると強く反発し、出頭の意志はないとしている。スーダンはICCに加盟していない。アメリカはまだICC未加盟だが、オバマ政権は加盟に前向きで、ICCを支持している。しかし、中国は石油をスーダンから輸入するなど関係が強いことから、バシル政権を支持している。国連もスーダンでのPKO活動には現政権の協力が必要と言うことでバシル告発には積極的でない。「世界最悪の人道危機」といわれるダルフール紛争の解決につながることになるのか、世界が注目している。
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