イスラエル人
ヘブライ人は自らをイスラエル人と称し、バビロン捕囚後はユダヤ人といわれた。
他民族からヘブライ人といわれた人びとは、自らはイスラエル人と称した。バビロン捕囚後はユダヤ人といわれるようになり、現在ではユダヤ人という言い方が定着している。イスラエルは古代のイスラエル王国の国号となり、また第2次世界大戦後にユダヤ人の国家名として復活した。 → 一神教 ユダヤ教
Episode 神と相撲を取ったヤコブ
旧約聖書によれば、アブラハムの孫のヤコブがヨルダン川の支流の一つを渡ろうとしたとき、一人の人と組み打ちをした。その人はヤコブに勝てないのを見て、ヤコブのもものつがいをさわった。するとヤコブのもものつがいがはずれた。その人は「あなたは名をヤコブと言わず、イスラエルと言いなさい。あなたが神と人とに、力を争って勝ったからです」と告げ、祝福を与え、名乗らずに去っていった。ヤコブはそのためにびっこをひくことになったが、イスラエルの子どもたちは今日までもものつがいの上にある腰の筋を食べないのである、という。ヤコブの子どもたちからイスラエル12部族が生まれ、エジプトに移住することとなる。イスラエルとは「神に挑む」という意味であるという。<『旧約聖書』創世記 第32章22-32/高橋正男『物語イスラエルの歴史』2008 中公新書 p.47>