古典期
前5世紀から前4世紀末の、古代ギリシア文化のもっとも栄えた一時期をいう。
ギリシア文化の一段階で、およそ前5世紀から前4世紀末までの、ポリスの市民を主体としたアテネ民主政が高度に繁栄した時代の最盛期の文化を対象とする。特にギリシア美術史上のアーカイック期に続く時期をさす用語であるが、われわれがギリシア文化と聞いて思い出すものは、ほとんどがこの時期のものである。三大悲劇詩人の活躍に代表されるギリシア悲劇・喜劇、アクロポリスのパルテノン神殿、ソクラテス → プラトン → アリストテレスというギリシア哲学の展開、ヘロドトス・トゥキディデスの歴史書などなど。これらはいずれもペルシア戦争に勝利して、民主政治が確立したポリス社会の中で、自由な市民たちによって生み出された文化であった。ギリシア古典期の文化は次のヘレニズムを経て、ローマ文化に継承される。