訓詁学
後漢時代から盛行した儒学の学派で経書の正しい解釈をめざした。
儒学の経典である経書(五経)を正しく理解するための、注釈を加える学問。前漢武帝時代に董仲舒の建議により官学となった儒学は、前漢末の劉向によってその典拠となる古典のテキストクリティック(文献批判)が行われ、後漢時代には古典に対する正しい解釈を目指す訓詁学が興った。
後漢の鄭玄が大成
後漢の馬融や鄭玄が著名であり、とくに鄭玄は訓詁学を大成したと言われる。訓詁学はその後、儒学(儒教)の基本的なあり方として科挙制度と結びついて発展するが、次第に形式化し、仏教と道教のもつ宇宙観や実践倫理にくらべて低調になってきた。その訓詁学にたいする反省から、宋代に性理学(原理を探求する学の意味)として宋学(朱子学)による革新が起こってくる。