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天台宗

中国で成立した仏教宗派。日本仏教に伝えられ重要な宗派となる。

 南朝の最後の朝で、江南の五台山を中心に活動した天台大師智顗(ちぎ)を開祖とする宗派。彼は隋の煬帝から「智者」の称号を与えられた。大乗仏典の中の『法華経』を最も重視する。法華経は正式には妙法蓮華経といい、サンスクリットの意味は「正しい教えの白蓮」である。その教えは、どんな人でも救済できると説くもので、諸経の王とも言われ、鳩摩羅什の翻訳以来、多くの人の信仰の拠り所となった。
 唐の中頃から特に盛んになり、その中心地天台山には各地から学僧が集まり、唐の仏教の中心地となった。日本の最澄(伝教大師)も天台宗を学び、日本に比叡山延暦寺を建て、平安仏教の中心地となった。その後も円珍、円仁を初め、宋代には重源、栄西、成尋などの多くの日本僧が天台山で学んでいる。鎌倉仏教の始祖となった法然や日蓮も天台宗の比叡山で学び、そこから出発している。
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