カネム=ボルヌー王国
アフリカ中央部にあった黒人王国でイスラーム教国。奴隷貿易で繁栄した。

カネム=ボルヌー王国のおよその位置
カネム=ボルヌー王国の奴隷狩り
(引用)金を産出しない中央スーダンでは、奴隷はもともと第一の交易品目であり、その中心はカネム・ボルヌ帝国であった。カネム・ボルヌ帝国の奴隷狩りの対象となったその南部地域にあたる現在の北カメルーンやチャドには、歯を尖らせたり、唇に巨大な円盤を入れたりして身体を著しく変形させている人々が多く分布していたが、それは奴隷狩りを避けるためだったとさえいう。ムスリムはこうした人々は、「食人種」と見なして奴隷化しないからである。それほどカネム・ボルヌ帝国は奴隷狩りを盛んに行ったらしく、サハラの奴隷交易に関する史料もカネム・ボルヌ帝国関係に集中している。さらに17世紀以後、これにハウサ諸王国が加わり、中央スーダンにおける奴隷交易はいっそう盛んになった。<宮本正興・松田素二編『新書アフリカ史・改訂新版』2018 講談社現代新書 p.201>