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マリ王国

アフリカ西部のニジェール川上流にあった黒人イスラーム教国。14世紀に都トンブクトゥが大いに栄えた。

マリ王国の王

マリ王国の王

 西アフリカのニジェール川上流からセネガル川留意域を支配した黒人王国でイスラーム教国。13世紀にガーナ王国に代わって台頭したマンディンゴ人が建てた国で、ガーナ王国と同じく、金の産地を押さえ、北アフリカとの交易でその都トンブクトゥは大いに栄えた。
 右の図は、14世紀にカタロニアで作成された世界図の一部。サハラ砂漠の交易路と黒人の王の座像などが描かれている。王にはラクダに乗った隊商が対面している。王には「ムッセ・マリ(マリ王)と呼ばれ、国に産する金のゆえに最も富裕な王である」という説明がついている。<宮本正興・松田素二編『新書アフリカ史改訂版』2018 講談社現代新書 p.156>

マンサ=ムーサ王

 14世紀には全盛期を迎え、国王マンサ=ムーサがメッカ巡礼を行ったことで有名である。マリ王国第9代の王であったマンサ=ムーサはイスラーム教徒の義務の一つであるメッカ巡礼に出かけたとき、奴隷500人を引き連れ、大量の金を持参、途中のカイロではそれを喜捨として与えたため、金の相場が下落したという。
 また大旅行家のイブン=バットゥータがマリを訪れている。15世紀に東隣のソンガイ王国によって押され衰退する。なお、現在のマリはこの地に出来た国であるが、直接は関係がない。
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書籍案内

宮本正興・松田素二
『新書アフリカ史改訂新版』
2018 講談社現代新書