ヴァンダル人/ヴァンダル王国
ゲルマン人のヴァンダル人は遠く北アフリカにまで移動し、ヴァンダル王国を建国した。455年にはローマを略奪した。
ゲルマン人の一部族ヴァンダル人は、ゲルマン人の大移動のなかで、イベリア半島から遠く北アフリカに移動して、ヴァンダル王国を建国した。
驚異的な大移動
ヴァンダル人ははじめ現在のドイツ・ポーランドの国境地帯、オーデル川流域に居住していたが、フン人に圧迫されて406年に移動を開始、ガリア(現在のフランス)を通り、イベリア半島(イスパニア)に入った。さらに西ゴート人に追われて、429年にジブラルタル海峡を超え、北アフリカにわたり、さらに現在のチュニジア、かつてカルタゴが繁栄したところに王国を建設した。北アフリカと南イタリアを支配
ヴァンダル人を率いたガイセリック王は、455年にはローマを掠奪し、西ローマ帝国の滅亡を早めた。ヴァンダル王国はさらにシチリア、サルデーニャなどの地中海の島も支配し、地中海貿易に進出し繁栄した。Episode ヴァンダリズム
英語で、「野蛮な行為」、「文明の破壊」を意味する vandalism ということばは、ヴァンダル族からきている。彼らがローマを破壊したことから、ありがたくない言葉が残ってしまった。ヴァンダル王国の滅亡
ヴァンダル王国は、かつてのカルタゴの地を拠点に、5世紀のガイセリック王の時に強大となり、ローマを占領し、さらにシチリア島なども支配した。しかし6世紀に入ると次第に衰退に向かい、533年に東ローマ帝国のユスティニアヌス帝の派遣したベリサリウス将軍の率いる1万6千の軍勢の攻撃によって敗れ、534年に滅亡した。