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ビザンツ様式

ビザンツ帝国の美術、文化の様式。ドーム建築とモザイク絵画が特徴。ハギア=ソフィア聖堂などがその代表例。

 ビザンツ帝国のもとで展開された、6世紀ごろを頂点とする建築や美術上の一つの様式。ギリシア・ローマの古典文化を継承し、東方の要素も取り入れて形成された。中世ヨーロッパの教会建築にも影響を与え、11世紀のロマネスク様式に継承される。

ビザンツ様式の特色

 要点はドームとモザイク画による装飾。ドーム(大円蓋)を中央にもち、周辺に小ドームを配置する形態をとり、壁面には、モザイク壁画・フレスコ画で美しく装飾されている。絵画ではその他に、ギリシア正教の聖具として使われたイコンも美術的価値が高い。

ビザンツ様式の具体例

 コンスタンティノープル(現在のイスタンブル)のハギア=ソフィア聖堂(セント=ソフィア聖堂)がその代表例。6世紀(537年)にユスティニアヌス帝が、一度焼け落ちた教会堂を巨大な礼拝堂を持つ建造物として再建した(実質的には創建と言ってもよい)。オスマン帝国に征服されてからはイスラーム教のモスクとして改造され、周囲に四本の塔(ミナレット)が加えられたが、ドーム建築の礼拝堂は基本的にユスティニアヌス帝時代のビザンツ様式を伝えている。
 モザイク壁画の代表的な遺品としては北イタリアのラヴェンナ(一時、西ローマ帝国の都であったが、ユスティニアヌスの時東ローマ領となり、総督府が置かれた)にあるサン=ヴィターレ聖堂である。そこにはキリストやユスティナヌス帝の像の他、多数のすぐれたモザイク画の壁画が残されている。ハギア=ソフィア聖堂もサン=ヴィターレ聖堂も世界遺産に登録されている。
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