8世紀以降に
ムスリム商人のダウ船を使ったアラビア海を中心とした海上貿易が盛んになった。次いで10世紀後半から11世紀に、宋代の中国で造られるようになった「
ジャンク」という外洋帆船と、
羅針盤を用いる新航海技術が結びついて、広東、福建、浙江などの地方の海岸の商人が、南シナ海に進出を始めた。
12世紀になるとマラッカ海峡を越えてインド洋に及ぶ広い「ジャンク交易圏」が形成され、西のアラビア海の
ダウ船を使うムスリム商人の「ダウ交易圏」と重なるようになり、双方の交易が展開されるようになった。
<宮崎正勝『鄭和の南海大遠征』中公新書 1997 p.3~4 による>