ジャンク船
中国商人が利用した木造船で、外洋でも大型ジャンクが航行した。
ジャンク船
現在でも中国の沿岸でよく見られる三本マストで角形の帆が特徴の木造船。中国商人はこのジャンク船で、羅針盤を使い、遠くインド洋まで航海に出た。大きさは約300トン、乗組員5~600という大型から、約120トン、乗組員2~300の中型とがあった。
→ 鄭和の大航海 アラビア商人のダウ船
→ 鄭和の大航海 アラビア商人のダウ船
(引用)ジャンクは竜骨をもつ構造船で船材として利用されたのは松・杉などであり、二重、三重に側板が打ち付けられて堅牢に造られ、桐油・石灰によりその隙間をふさいで水漏れを防いだ。船倉部分は、しっかりした隔壁によって一〇余に区分され、仮に一つの船倉に浸水したとしても船が沈没しないような工夫がなされていた。この隔壁は、同時に周りの船板を支える役割も果たした。・・・<宮崎正勝『鄭和の南海大遠征』中公新書 1997 p.4~5>
Episode 引き上げられた元の沈没船
1976年から84年にかけて、韓国南西部の木浦沖で引き上げられた、14世紀の元時代の「新安船」は、全長34メートル、約200トン級の三本マストの遠洋航海用帆船であった。積荷には2万点をこえる青磁、白磁などの陶磁器や、28トンにもなる800万点といわれる銅銭や紫檀の木材などであった。<松浦章『中国の海商と海賊』世界史リブレット 山川出版社 2003>