シャー=ルフ
ティムール朝の第3代君主。ヘラートに遷都した。
ティムール朝の第3代君主(在位1409~47)。ティムールの第4子であったが、ティムール死後の混乱を収束してその安定をもたらした。彼は帝国の都を自らの本拠地ヘラート(現在のアフガニスタン西部)に移し、サマルカンドには息子のウルグ=ベクを太守として統治させた。またイラン、アフガニスタン方面にも息子達を分封し、一族による帝国支配を体制を固めた。その上で対外的には平和外交の路線を打ち出し、父ティムールが遠征を志した明との関係も修復し、両国間にしばしば使節の交換が行われた。その40年に近い治世は、ティムール朝を通じて、もっとも安定した時代となり、トルコ=イスラーム文化が開花した。<間野英二『中央アジアの歴史』1977 講談社現代新書 p.170 などによる>