ジャギールとは
ムガル帝国の
アクバル帝の時に定められた、官僚に与えられた
給与地、およびその制度のこと。ムガル帝国の
マンサブダール制で、官僚に与えられる禄位(マンサブ)に応じて定められた給与地をジャーギールという。官僚はジャーギールに見合った騎兵を養い、帝国の危急にはそれを提供しなければならなかった。なお、ジャーギールは土地そのものではなく、土地からの徴税権であり、ブワイフ朝、セルジューク朝以来のイスラーム世界での
イクター制、オスマン帝国の
ティマール制にあたるものである。ジャーギールは官僚の土着化を防ぐため、世襲は認められず、3,4年ごとに所替えされた。