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東三省

現在の中国東北地方、奉天省、吉林省、黒竜江省の三省。満州とも言われ、1935年、満州国が建国された。)

 中国の東北地方は清代には、奉天省、吉林省、黒竜江省の三省がおかれていたので、まとめて東三省といわれた。かつては清朝を建国した女真(満州人)の拠点であったが、長期にわたる清朝時代に漢民族とほぼ同化した。またこの地はかつての満洲人の出身地であったために満州ともいわれるようになった。
 19世紀になるとロシアの東アジア侵出が強まり、さらに大陸進出を目指した日本との間の対立は、日露戦争に発展、その勝利をもとに日本は遼東半島への進出を果たし、南満州鉄道の権益を守るために関東軍を置き、軍閥刊の抗争に介入しながら地歩を築いていった。
 一方、清朝末期から中華民国初期に、この地に奉天軍閥が生まれ、張作霖がその支配者として台頭し、北京の軍閥政権と抗争した。日本は1928年に張作霖爆殺事件を起こして、奉天軍閥の排除を策したが失敗し、かえって張作霖の息子で軍閥を継承した張学良が同1928年12月29日に国民政府の蔣介石に従う声明を出し、東三省を含めた国民政府の中国統一が完成することとなった。
 張作霖爆殺の陰謀も成果がなかったことから、関東軍はさらに1931年に再び南満州鉄道を爆破される柳条湖事件を口実に軍事行動を行い、満州事変を起こして東三省への出兵・占領、1932年には傀儡政権「満州国」を建国することとなる。
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