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ミケーネ王国

古代ギリシアのアカイア人の王国。1876年シュリーマンにより発掘されミケーネ文明の存在が明らかになった。

 ギリシア本土のアルゴス平野北部にあった王国。ミュケナイとも表記。前1600年~前1200年のあいだ、この地にギリシア人(当時はアカイア人といった)が王国をつくり、有力となった。1876年のシュリーマンの発掘によって、その王宮跡と思われる城塞が発見され、ミケーネ文明の存在が明らかになった。それは線文字Bといわれる独自の文字を持ち、高度な青銅器文明であった。

貢納王政の社会

 ミケーネ王の時代は、後のギリシアのポリス社会とはまったく違って、王が専制的な支配権力を持ち、周辺のギリシア人諸王国を支配し、税を納めさせる貢納王政をしき、その勢力はクレタ島などにも及んでいた。またエーゲ海対岸の小アジア北部にあったトロイア王国との戦争(トロイア戦争)がホメロスの『イリアス』に物語られている。ところが、前1200年頃、ミケーネ王国は忽然と姿を消し、その文字も忘れられてしまう。この原因はまだ不明な点が多いが、最近では「海の民」の侵入によって滅ぼされたのではないか、という説が有力になっている。
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