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トロイア戦争

古代ギリシアでミケーネ、スパルタらとトロイアの戦い。ホメロスの叙事詩の題材となった。

 ホメロスの叙事詩『イリアス』に物語られるギリシアの王国連合とトロイア王国(トロヤ)の戦争。トロイアの王子パリスがスパルタ王の妃でギリシア一の美女と言われたヘレネを誘拐し、トロイアに連れて行ってしまったことから、ミケーネ王のアガメムノンを指揮者として、勇猛無比なアキレウス、知略に長けたオデュッセウス、助言者ネストルなどギリシアの英雄たちがトロヤを攻撃することとなった。ギリシア軍は10年にわたってトロイアを包囲しが、トロイア側も王子ヘクトルなどの名将の下でよく戦った。ギリシア軍は勇士を忍ばせた巨大な木馬をつくり、和平の贈りものと偽って城門を開けさせ、躍り出た勇士がトロイアの王宮を焼き討ちにしてヘレネを助け出したという(「トロヤの木馬」)。なお、この話は、トロイアが落城したとき、ただひとり脱出したアエネアスが地中海各地を彷徨した後、イタリアのローマに至りその子孫のロムルスがローマを建国するというローマ建国神話(ウェルギリウスの『アエネイス』)につながっている。 → ギリシア人

Episode トロイア戦争のはいつごろのことか?

 この物語は単なる神話ではなく、ミケーネ王がトロイアを征服した事実を反映していると考えられる。トロイアの存在を明らかにしたのは少年時代の夢を実現させたシュリーマンのトロイア遺跡の発掘であった。しかし、このトロイア戦争となるとその時期をめぐって歴史家の意見が分かれている。一般にミケーネ文明時代の前13世紀のこととされているが、この時期は考古学上は青銅器時代だ。ところが物語では農民は鉄器を使っている。このことからイギリスの社会史学者フィンレーは1963年にトロイア戦争の史実を否定し、それは前10~9世紀の鉄器社会に移行する時期の現実を反映させたものだ、と主張した。ところが現在ではやはり前13世紀のミケーネ時代のことだというのが有力になっている。それは、同時代のヒッタイト帝国のボアズキョイ遺跡から出土した文書にアカイア人(ミケーネを建国した)やトロイアの別名イリオス、パリスの別名アレクサンドロスなどの名前が出てきたからである。ヒッタイトと接触していたのであれば、トロイアやミケーネも鉄器を使用していてもよさそうだが、いまのところはっきりしていない。もっともトロイア戦争を扱った映画では、平気で鉄の剣が使われているが・・・。<村川堅太郎他『ギリシア・ローマの盛衰』1993 講談社学術文庫 p.48-50 などによる>
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ノートの参照
1章2節 イ.エーゲ文明
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村川堅太郎他
『ギリシア・ローマの盛衰』
1993 講談社学術文庫
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『トロイのヘレン』
ロッサノ・ポデスタ主演
1955 ロバート・ワイズ監督

ブラッド・ピットの近作『トロイ』もあるが未見。